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サルではわからない地上デジタル講座・終

デジタル放送がすんごいキレイな映像であるという話をずっとしてきました。
まだ導入していない人でもビックカメラ、ヨドバシカメラなんかでハイビジョンテレビは見かけてると思うので、そのキレイさは十二分に了解済みだと思います。

今度はその先の話です。
16:9のハイビジョン映像が家で普通に見られるということに慣れてくると、当たり前ですが、録画したくなるものなのです。
これ、「とにかく録画さえできればそれでいい」というのでしたら何も問題はありません。
幾多の難が待受けているのは、「ハイビジョンのまま録画したい」というところです。

ちょこっとコーコク

ボクらが近年買えるようになったHDD+DVDレコーダーというのは、確かに超便利で、以前の「サルでは...」のシリーズでは懇々とそれを述べています。しかしそれは、あくまでSD放送用のもので、デジタル蔓延の時代になってくると、ちょこちょこと不便さが見えてきてしまうのです。

スゴ録などて言うと、録画モードは、SLP、EP、LP、ELP、LSP、SP、XSP、XP(旧機種では「HQ」)と、なっていてそれぞれに見合ったキレイ度で録画されます。
他メーカーでもこんな感じでしょう。
ところが、これらはすべてSD品質での録画レートであって、たとえ最高画質のXPを使ったとしても、HD放送はそのままの水準では録画はできません。
規格が違うからです。
そこで、ハイビジョンの録画用である、「DR」というモードを使います。
すると、テレビで流された画質のまんま録画できるのです。
しかし、想像が容易だと思いますが、HD放送をそのまま残すということは、これまでのSD録画とは比べ物にならないくらい容量を使います。SPレベルで録画したものに比べて3倍くらいの容量を必要とします。ウチの400Gのスゴ録でDR録画は48時間ですから、日テレとフジテレビの24時間テレビを録画したら満杯ということです。するかそんなこと。

キレイな画質を残すには、たくさんの容量が必要であることは納得のいくところですが、
問題なのは、それはハードディスクには残せるけれどもDVDには残せないというところです。
ハイビジョンがキレイだからといって、普段からDRで録画するようなことがあったら、すぐにハードディスクの空きが足りなくなりますよね。そうなったらこれまではDVDに焼いてしまえばよかったのです。
ところが、HD放送はDVDには保存できないようになっています。
容量だけで言ったら、20分間くらい分はあるのですが、規格がそうさせてくれません。
とにかくDVDに落とす際は、SD録画のレートに変換する必要が出てきます。

これ、落とすと一言でいうと簡単ですが、
実際は「殺す」と言っていいくらいの大ダウンコンバートです。
持っている解像度がグーッと下げられてしまうわけですから本当に絶望的です。
ボクなどの体験でいうと、「Dr.コトー診療所」などのようなハイビジョン製作のキレイな映像が、DVDに焼き落とすだけで、地上アナログの平べったいレベルへなってしまうのです。あららって感じ。
また、ワールドカップのように観客の多いスタジアムで運動なんかされると、デジタルものですからレート落ちればビックリするくらい絵が潰れてしまっていて、かえってSD放送をSD録画した方が観賞しやすいという現象が起ってしまうのです。

加えて、書き込むディスクにもクソなことがあります。
デジタル放送を録画するにはCPRM対応のディスクを使わないといけません。
要は著作権の対応がしっかりされているのですね。
しかも、VRモードのみしか使えないのです。
DVD-RWはずっとVRモードが存在していますし、DVD-ROMははじめからVRモードですから、CPRM対応かだけ気を付ければいいのですが、問題は安めであるDVD-Rの方。
VRモードなんてDVD-Rではサポートされていませんでしたよね。
ところが、近年はデジタル放送録画用途を中心としてVRモードも使えるようになりました
つまり、デジタル放送をディスクに残すには、CPRMのメディアにVRモードで、なおかつSD品質にダウンコンバートしてやれば保存できるということなのです。
意地悪。

その際さらに困ったことに、デジタル放送を録画したものは、ハードディスクからメディアへの1回だけの移動、つまり「ムーブ」は許されているのですが、ムーブさせて出来たディスクの複製はもちろん、ディスクからハードディスクへ戻すことも不可になっています。
1時たりとも複製を許さないコピーワンスのおかげで、再エンコードを要さない単なるムーブでも、少し時間がかかっていたりもします。
そしてムーブの途中で、もしメカニカルなトラブルなんかが起っても、そのタイトルはそのまま復活不能なことが多かったりもするのです。緊張のムーブ。

とにもかくにも、凄くキレイなハイビジョン映像もSD品質に落とさない保存できないわけですから、ディスクにムーブさせると決めた瞬間からハイビジョン映像とは別れを告げなくてならないわけです。

もう、どんな劣化が起っても、とりあえずは保存したいのだとなった場合でも、難は残ります。
録画されたCPRMのDVD-R VR録りのものは、後発のフォーマットなので、極端に互換性が低く、ボクの環境だけで言っても、旧スゴ録(HX-100)、Mac、カロッツェリアカーナビ、と軒並み再生不可となってしまいました。
MacなんかはCPRMというレア規格に対応する気なんてなさそうですから、このまま縁遠くなっていくかもしれません。
自分で録画したものは、その録画した機械でしか再生を期待できないような感じなのです。
なのでボクなんかは、BSでやっている「男はつらいよ」は、汚くて4:3レターボックスなのを覚悟で、結局BSアナログで全部録画することにしました。どのみちSDでしたし。

しかし、メディアのフォーマットが変わることは悪いことばかりともいえません。
VRモードで録画することにより、16:9の状態で残せるわけですし、副音声にも対応できます。しかも、面倒くさいファイナライズもしなくても平気です。実際ウチで録画したDVD-R VR録画のものを、知人のもつパイオニアの地デジHDレコでも未ファイナラズのまま普通に再生できました。まさに昔のVHSのような使い勝手のところにまできた感じです。

というわけで、
良いも悪いもゴチャゴチャな過渡期の今ですが、それを一気に改善してスッキリしましょうというのが、Blu-ray DiscやHD DVDの次世代DVDなわけですね。
次世代とはつまりハイビジョンを録画する為のDVDです。
例えばBlu-rayで、録画容量は一層25G、一層50Gありますから、ハイビジョン放送の番組を一層でも3時間くらいは録画できることになります。
3時間というのは放送コンテンツを考えると、最低限のところですよね。
焼きっぱなしのBD-R一層で約1800円、二層で4300円ほどですから、一瞬やっぱり高いなと思うわけですが、BD-R一枚がDVD-R5枚〜10枚分という考え方が浸透していけば、それはそれで成立していくのかもしれません。それに時間が経てば経つほど安くなっていくでしょうし。
以前の「サルでは...」シリーズの最後の頃では、Blu-ray Discはまだカートリッジに入ってましたが、ver2.0からは普通の裸ディスクとなり、より可能性が広がってます。HD DVDの方も、市販HD DVDソフトにはDVDの分も入れてしまうというツインフォーマットというあなどれないアドバンテージも持っています。
両陣営が今まさにベータvsVHS劇場を再演しようというのです。
ま、普通に考えると両陣営の顔ぶれからしてもBlu-rayが勝ってしまいそうですがね。
余談ですが、Blu-rayは「ブルー」のレイなのですが、「Blue」ではありません。

さて、ボク個人的な見解としては、もし急いでHDレコ機のようなものを買う気がないのなら、次世代DVDレコ機がこなれてきた時に買うべきではないかと思うのです。いや、それでも今すぐ必要だと言うのでしたら、ほどほど安いモデルにすることをオススメしておきます。予算があるのならば、ハイビジョンのテレビの方に注いだ方がいいでしょう。
今から買うモデルは、テレビ側にHDMIの入力が付いていないと、Blu-ray版の映画ソフトなんかが出回った時に再生させてくれないという現象が起ってしまうかもしれませんので、ケチってHDMI抜きを買うと場合によってはツライ思いをつるかもしれません。(まだその方式は確定はしていません)
逆に裕福で、いくらでも買えるような人だったら、今すぐにでも次世代DVD機を買うのが幸せでしょう。
それにしなくても、現行DVD機で、iLink経由でBD機にTSムーブできる機種もありますから、それを中継ぎに使うのも1つ。
いずれにしても、本当に今は過渡期なのです。
次に出る機種、次に出る機種が少しずつ問題を解決しているような状況が続いてますから、待てるなら待った方が良い買い物ができるのではないでしょうかね。

さてさて、またしてもダラダラと書いたこのシリーズでしたが、今回でおしまです。
複雑になってきてしまったので、いろいろと抜けていることもありますが、それはそれ他所樣のWEBサイトででも補完していってください。

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