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タヒチ漫遊記・20 「ピザキャット」

さて、レンタル自転車を手に入れて、目的どおりモーレア島のビーチを満喫していわけですが、やっぱりある段階からお腹が減ってきます。ところが困ったことに、もう持参した食べ物も飲み物も残っていないのです。
これまで自転車で通ってきた道ではレストランはおろか、スーパーマーケットもありませんでした。
もっと向こうへ行くしかありません。
港からどんどん遠くなりますが、繁華してくることを期待しつつ、ペダルを漕ぎ始めました。

ちょこっとコーコク

しかし、出発してちょっとの段階から、想像以上に店がないことに気づかされます。
建物あったーっと思っても、そのほとんどが個人のお宅。
極々たまに、何やらお店らしいポイントも見つかるのですが、店じまいしたんじゃないかと思うくらい、全く営業の気配を放ってないのです。
日曜日ということもあったのでしょうが、かなり悲しい状況です。

30分40分進んだ頃でしょうか。
空腹は忍耐の余地があるにせよ、喉の方はかなりカラカラになってきました。
空気の甘い自転車走行で、疲労が増し、いよいよぐったりです。

と、その時、不意に何やら店舗ビルのようなところを発見しました。
いや、店舗ビルとは言い過ぎですが、とにかく何か人の集う気配のある建物です。
看板のようなものも確認。

しっかりと「PIZZAS」と、書いてあります。
きっとピザ屋です。
やった。
ようやく何か食べられそうです。

しかし、歓喜も束の間、次の瞬間、一気に巨大な不安に襲われたのです。

突如そのピザ屋と思われる店内から、
「ニャーーーーーーーーオ!!」と、
「奇声」と分類できる声が鳴り響きました。
猫のようでいて、間違いなく人間の声
文字にうまくできないのですが、普通の猫の鳴き声を人がまねる「ニャーオ」ではなく、もっと本格的な猫の鳴き声調なのです。舌を巻き込みながら発するような感じのアレ。
怒った江戸家猫八です。
それも店の前を走りかかっただけで聞こえてくるわけですから、相当な大ボリュームなのです。

これは正直警戒させられました。
ヤバイ人間がいるに違いありません。
ほとんどパスするくらいの気持ちでそのピザ屋の前をゆらゆらと通りかかり、そして観察しました。

しかし、なんかよく判断つかないまま、店の前を走り過ぎてしまい、すぐその先には、これまでどおりの一般のお宅しか見えてこないような状態になってしまいました。またしばらく何もなさそうです。

「あの化け猫のいるピザ屋しかないか」
そう判断しかけた頃、ワイフは想像以上に呑気なモードでピサを要求します。
「行こう行こう。ピザ食べよう」

意を決して、店に入ってみると、
キッチンとカウンター、そしてわずかに用意されたテーブルのあるコンパクトなピザ屋でした。
しかししっかり営業しています。

入店する東洋人を見つけると、
信じがたいほどのハイテンションで、
再び、「ニャーーーーーーーーオ!!」
かなり顔も厳ついので、迫力あります。
「はい、にゃ〜お」と返事するのが精一杯。
その後もニャーニャー言うばかりで、まともに言葉を発しないのですが、傍らに居たアルバイトなのか常連客なのかの青年がメニューを出してきてくれて、無事にピザを注文することができました。もちろん水も。

そしてピザ登場。
わぁ、おいしそう。
実際おいしかったです。凄く。

猫のオッサンですが、結局あんまり口をききませんが、途中ボクらのテーブルのところへ来て、さりげなく扇風機の当たり具合を気にしてくれたりします。
そしてよくよく店内を観察してみると、いたるところに「猫グッズ」が置いてあるのがわかりました。
相当な猫好きなのではないでしょうか。
食べ終わって、店を出た時に、改めて店の看板にも猫があしらわれているのに気がつきました。
筋金入り。

さて、気分よいランチを楽しんだ後は、再び港方面に戻りつつ、またもや海水浴出来るところを探しました。
がやっぱり、最初に滞在したビーチくらいしか適当なところがなく、もう一度同じところで水遊び。

そして帰る時間となります。
レンタル自転車を返して、船の時間をチェックしてみると、行きに乗った高速艇Aremiti 5ではなく、大型のフェリーも乗れそうだったので、今度はフェリーにしてみました。45分の船旅です。
売店でヒナノビールを買い、デッキで風に当たりながら飲んでいると、やがてパペーテ。
あとは帰りにゴハン食べて、翌日の帰国の準備に勤しんだわけです。

思いつきだけ行ってしまったので、イロイロと不安のあったモーレア島でしたが、終わってみると楽しく過ごすことができました。
レンタル自転車がなかったとしたら、どうなっていたかわらないですけど。

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