こないだ法事で富山に行った時の話です。
上野から7時45分頃出発する新幹線に乗ったのですが、これがかなり初期型で結構ボロい。
ボクはもっととんがった顔のやつに乗りたかったのですが、出発時間優先だったので仕方ありません。
座席も進行方向と逆になっていて、変えたくても東京からすでに人がたくさん乗っていて自由がきかない状態でした。
まぁ、それでもとりあえずパソコンでも広げてのんびり行くか、なんて思ってたところ、車内の出入り口のところで薄茶色のコートを着たとある中年男性が、外(昇降口のところ)へ向かって割と大きな声を出しました。
「慌てなくていいから!」
雰囲気として団体を率いているのはすぐわかりましたが、ツアコンにしてはこの中年男少し野暮った過ぎます。
なんとなーくそちらに興味の目を向けていたら、次の瞬間、驚くべき団体が入ってきました。
坊主、坊主、坊主・・・つごう五つ!
ん、よく見ると、この坊主たち腰繩でつながっている。
いや、もっとよく見ると、彼らの両手は何かで自由を奪われているではないですか。
そうです、囚人の移送なのです。
無論、手錠自体は見えないように布の専用カバーのようなものをつけていたのですが、どー見ても「ワッパ」です。
そして彼ら5名の服はかなり地味です。(いくらなんでも囚人服ではありませんよ、たぶん私服)
車内は静かに緊張していました。
ボクの席の三つくらい後方に座った為、さすがにジロジロと見るわけにいかず観察はままならなかったのですが、後方レーダーだけは解除せず動きを見張っていました。
いつ何が起きてもいいようにボクの靴はしっかり履いたままです。
どうも、腰繩は3人組と2人組に分かれ、同行するデカはぜんぶで3人。
結構くだけたムードでニヤケる囚人もちらほらいます。
その後一定の緊張感を保ちつつ、結局は何も起こらずに越後湯沢に到着しました。
富山へ行くためには、この越後湯沢で別の特急に乗り換えなければなりません。
ボクは新幹線を降りました。
あの囚人たちはどこへ連れていかれたのだろう、なんてぼんやり想起しながら乗り換えホームへ進みました。
そして特急はくたかに乗り、自分の座席を見つけ席に着くと、いよいよリラックス態勢になりました。
すると、さらなる衝撃がやっと脱いだボクの靴を再び履かせました。
また連中が同じ車両に乗り込んできたのです。
しかも今度は見やすい角度であり、見られやすい角度。
んー、緊張。
そんな中、囚人がトイレに向かう場面を目撃することができました。
どうやら腰縄3人組のひとりのようで、他の2人にスマンスマンという様子でトイレに向かいます。
遠くでよくは見えなかったのですが、どうやら「小」のようで、手錠はそのままでトイレの扉も半開きのようです。
「大」は乗る前に済ますように指示がありそうですね。
その後、彼ら一団は富山で降りました。
後で聞いた話によると、富山の刑務所に移送となると、模範囚なんじゃないかとのことです。
確かに少し穏やかな顔つきの面々でした。
残念ながら脱走劇が見ることなく終わってしまいましたが、この緊張を少しでもみなさんに伝えたいと思い、記録してきていますよ。