夜7時過ぎくらいだったと思います。
ボクは、飯田橋から東京メトロ有楽町線に乗り込み、池袋の方へ向かっていました。
帰宅ラッシュとぶつかってしまい、車内はかなりギュウギュウ状態。
ボクのボディ周辺には、特別美人がいるわけでもなく、普通のオッサン達に取り囲まれてしまい、単に不快な時間をしのいでいたわけです。
ふと、人の頭頭の隙間から、窓際に立つ『ある男』の姿が見えました。
その男、年の頃は40半ばくらいでしょうか。
パッと見、結構「オヤジ」です。
男はドアガラスに押し付けられるようにされながらも、両手で何かゴソゴソとやっています。
ビニールの小袋を開封してるようです。
何かのお菓子の袋でしょうか。
次の瞬間、男はその小袋から出した黒い小物体を、パクリと口に入れました。
チョコボールです。
どうやら、チョコボールの封を開けていたということのようです。箱入りのではなく、ビニール袋に入ってるタイプのものですね。
「なんだ」と、ボクの興味は一気に消滅してしまったのですが、中吊り広告も見えないような位置だったので、ただただ視界に入るその男の姿を引き続き観察しました。
すると男、そのチョコボールを物凄い勢いで口に入れ続けます。
1粒を食べ終える前には次の1粒を、というような感じ。
「ひっきりなし」とはまさにこういう状態をいうのだなと、教えられる気分です。
左手に持った小袋から、右手でチョコボールをつまみ出すわけですが、もちろん1粒ずつなんて効率の悪いことはしません。一度に右手の中に4、5粒に装填し、それを指先で器用に口へ運ぶという感じです。スピーディーで無駄のない所作は、一度や二度で体得できるものではなさそうです。チョコボール食いの名人とみた。
その食いっぷりは、当然ボク以外の乗客も注目しはじめました。
それくらいダイナミックなのです。
中には薄ら笑いを浮かべてながめている人もいます。
もはや「食事」というレベルで食べ続けるその男、驚くべきことに、飯田橋から食べはじめて、次の駅である江戸川橋に着く頃には完食してしまいました。不思議なのは、終始「1粒ずつしか口には入れなかった」こと。何らかのポリシーの表れかもしれません。
さてその後、男は食べ終えたチョコボールの小袋の方はポケットにしまい、何事もなかったように一般の乗客に馴染んでいます。ただ、口の中にはまだチョコボールが残留しているようで、モゴモゴとやっています。
電車が護国寺を出発したあたりになっても、男はまだ口を動かしてます。食べたチョコボールは「キャラメル」の方だったのかもしれません。そのモゴモゴする感じは、音こそ聞こえてこないながらも『クチャクチャ』に近い印象のもので、時折は舌が唇周辺を泳いだりする様は、どちらかというと見苦しいものがありました。なんといいましょうか、犬みたいなのです。
ボクは心の中で「オッサン、お腹空いていたんだね。うまかったかい」とつぶやくに留め、それ以上その男のことを考えるのは止めにしました。
事件は東池袋を出発した直後に起こりました。
東池袋から乗り込んできた乗客数名のうち1人が、チョコボールオヤジのすぐ隣りに立ちました。30代後半くらいでしょうか。サラリーマン風の男です。
口のモゴモゴは少しずつおとなしくなったチョコボールオヤジでしたが、ふいにそのサラリーマンに注目を始めてしまいます。なんか妙に見つめているのです。満員電車ですので、2人の距離は非常に近いのです。でもチョコボールオヤジはためらうことなくサラリーマンの横顔を見つめています。ボクの位置からは、そのサラリーマンが注目に値するものなのかは判断つきません。見えるのはチョコボールオヤジの異常な観察です。幸か不幸か、そのサラリーマン、ちょっと体が外側に斜だったので、チョコボールオヤジからの凝視に気付いていないかもしれません。
しかし、何故にあんなに見つめるのでしょう。
電車が軽く揺れました。
それをきっかけにボクの位置からもサラリーマンの横顔が見えました。
なんとサプライズ。
そのサラリーマンのこめかみの少し上あたりに、大きなホクロがあるではありませんか。
まさに、チョコボール大のホクロです。
ボクは再び心の中でつぶやくのです。
「オッサン、まだ足りないのかい。でもその1粒には手を出さんでくれよ」
私は数年前に有楽町線で
ズラではなく、
頭をマジックで塗ってた人を見ましたよ。
あのドッキリのおじさんがかぶってたヘルメットの黒版の
ような感じでしたね。
あぁ、でもマジックかは不明ですけど、
かなり衝撃うけました。
>kyoさん
視力が衰えていて、トップレスの女の子が波間に遊んでいるグラビアだと思い、たまらず失敬したのでは。
チョコボール、最近は種類も増えて
http://www.morinaga.co.jp/catalog/kashi/index.html
おじさんの楽しみも日替わりで何よりです。
金のエンゼルは相変わらず出ませんがね。
ちょっと私もおじさんネタ、物語っていいですか?
私の店にはお客さんに待って頂く待ち合いがあって、ソファの脇には雑誌が置いてあります。
ある日おじいちゃんが来て待ってもらううち、ついたて越しに「ビリビリビリ・・・・」と紙を破く音。
たまに勝手に雑誌のページを破って持っていく人がいるのですが、おじいちゃん耳が遠いのか、破き音も高らかに(笑)
たぶんお色気グラビアだろうと、あとで興味深々で破かれた後を探しました。
フライデー・・無事。 週プレ・・無傷。 あれ??
あとは女性誌しかありません。
果たしてそれは、「女性セブン」の、「ジャニーズの若手が上半身裸で波間に遊ぶグラビア」のページでした。
・・・きっと離れて暮らすお孫さんに似てたのだろう。
そう自分内処理することにしました。
いやー、知ってる地下鉄だということと、話の内容で2度美味しかった!
オッサンが何をするのか!と、ドキドキして読んでました。