閉館間際、またヴィトンくんはその赤い勇姿を見せてくれました。
人の行き来が激しい通路のど真ん中で、実に堂々とマウスウォッシュを実行しています。
ボクは一歩二歩とヴィトンくんに近づきました。
「どうも」
自分でも驚くほど気軽に話しかけてしまいました。
するとヴィトンくん、「あ、どうも」と普通に愛想を振る舞ってくれます。
「おもしろいところありましたか?」
「そうですね。やっぱり向こう(民生機のメーカーのある賑やかなホール)は、いろいろと派手なところもありましたよ」
ヴィトンくんのいう「派手」は、ブースの出展物へかかわる演出の派手さどうのというより、コンパニオンがやらされていることや衣装などからくる「派手」と推測されます。その「派手」を見つけても、通常のカメラ小僧と違い、カメラは構えないわけですから、ある意味においてはジェントルマンであったりもします。
「(auブースを指し)ここの終礼を見に来たんですか?」
「えぇまぁ」
auのブースは、閉館間際になると、コンパニオンが全員横並びになってお辞儀するという特殊なサービスをやっています。やはり時間になると、それ好きの人たちが集まる傾向にあります。
「それにしても、入ってきてすぐわかりましたよ、赤いので」
ボクは変にコソコソせず、自分が赤い衣装に対して好奇の目を持っているということをハッキリとさせました。
それに対してヴィトンも特別なアレルギーは示していません。
そして思いきって、
「雨の日とか、真っ青で登場してきたらどうですか? みんなホントに驚くと思いますよ」
ヴィトンくん、笑いながら手を横に振ります。
しかし、次に驚くべき事実を教えてくれました。
「でも、プレスデーのような招待日の時は、この格好しないんですよ」
「え?」
「ほら、テロとかの警戒もあるから」
「!!」
「不審者だと思われるとマズいでしょ」
なんと、あの赤い衣装ではなく参上してくる時もあるのだというのです。
それは凄い。見てみたい。
しかし見つけようにも、群衆の中に普通の姿で混ざっていたら見つけ出すことは困難を極めるでしょう。
でも見たい。
自分が目立つ格好をしているということへの自覚は、昨年の接触時になんとなくわかっていましたが、「不審者と思われかねない」というところまで神経が行き届いているとは思っていませんでした。
それから、ひとつ知恵の輪が解けた思いがしたのは、
なぜ通称「ヴィトンくん」だったのかという点について。
確かにヴィトンのバックは持っていますが、それよりも真っ赤な格好の方がインパクトはあります。なのに、「赤い…」とかではなく「ヴィトンンくん」なのです。それが不思議でした。
要するに、その赤い格好には絶対性はなく、ルイ・ヴィトンのアタッシュケースにこそトレードマークたるものがあったということです。
きっと、通常仕様の衣装でもヴィトンのバックは持っているのでしょう。
話が進むと、こんなことを言ってきました。
「次の展示会はどこですか?」
つまり、ボクが行く展示会です。
ボクは「別に決まっていないです」と答えましたが、これはどういう意味でしょう。
わかっていたら、顔を出しに来てくれるというのでしょうか。
ついに、「コンパニオン以外で会いに来られる男」なるのか。
さて、盛り上がってきたので、思いきって名前を聞いてみようかと試みました。
「あのぉ、なんてお呼びしたらいいんですか?」
ヴィトンくん、少し仰ぎ気味に微笑み、
「まぁ、『ヴィトンくん』なんて呼ばれてるみたいですけど。」
そうなのです。
ヴィトンくんは、自分が周囲から「ヴィトンくん」と呼ばれているということは認識しているのです。
『わが輩はヴィトンくんである』となれば、さらに突っ込んでその先の本名を聞くというのは、人様に対して少し過ぎた行為です。
名前を聞くの断念しました。
ただ、今後は自信をもって「ヴィトンくん」と呼ぼうではありませんか。いや、一応は年上でしょうから、「ヴィトンさん」と呼ぶのが正式かもしれません。
ルイ・ヴィトンという人気ブランドは、それこそルイ・ヴィトン氏が1854年にパリで開業し、その後二代目のジョルジュ・ヴィトンが有名な「モノグラム」を発表し、栄華を極めていくことになったそうです。
ボクらは巨大な思い込みによって、ある点について見落としていたのかもしれません。
時に先入観は判断を鈍らせます。
ヴィトンくんは、片時もヴィトンのバックを離さず、そしてちゃんと「ヴィトン」と名乗っているのです。こういう人は他にいるでしょうか。
ボクが聞くべきだったのは、彼の本名がナニ・ヴィトンであるかだったのではないでしょうか。
こんにちは。
TBまでしていただきありがとうございます。
最近では、あんまり派手に記事にして、御本人に見つかるのではないかと戦々恐々としてはます。
(名前は伏せ字にした方がいいですかね)
それにしても、リンク先の写真は顔モロ出しで笑いました。
こんにちは。ヴィトン君のことを調べていて、ここにたどり着きました。すごいですね、接触レポート。面白かったです。
ググっているうちに、こんなのも見つけました。http://blogs.dion.ne.jp/wpc2005/archives/2155450.html
「モーターショー」
学生の時に友人に連れられて行ったきりです。
久々に行ってみよかな?車は見ずヴィトンさん目当てに☆
>ナルさん
モーターショー行けば絶対会えますよ。
行ってみてください。
http://www.tokyo-motorshow.com/
ヴィトンさん・いー人ですね(^^)
次回遇う時がまた楽しみかな〜